性感染症と避妊の基礎知識:コンドームの使い方と検査
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性感染症は、症状がないまま進んだり、気づかないうちに人にうつしたりすることがよくあります。相手が恋人でも、性風俗のサービスでも、リスクがあることに変わりはありません。ゼロにはできませんが、コンドームを正しく使うことと、定期的に検査を受けることで大きく減らせます。
症状がある人、不安な行為があった人は、この記事で判断せず、医療機関か保健所に相談してください。
よく見る性感染症
クラミジアは、国立感染症研究所の発生動向調査で国内でいちばん多く報告されている性感染症です。男性は排尿のときの軽い痛みや尿道の違和感くらいで、症状が出ないことも多く、知らないうちにうつしてしまいがちです。女性では不妊の原因になることもあります。感染から1〜3週間ほどで症状が出ることがあり、抗菌薬の内服で治ります。
淋菌感染症は、男性だと強い排尿痛や膿が出るなど、はっきりした症状が出やすいのが特徴です。潜伏期間は2〜7日ほど。注射の抗菌薬が治療の中心ですが、薬が効きにくい菌が増えているので、手元の薬を自分の判断で飲むのは危険です。のどに感染すると症状が出にくいことも覚えておいてください。
梅毒は、2022年以降、報告数が統計開始以来の最多を更新し続けていて、年間1万件を超える水準になっています。感染から3週間ほどで、うつった場所に痛みのないしこりやただれができ、3か月ほどすると手のひらや足の裏を含む全身に発疹が出ることがあります。症状が自然に消えても治ったわけではなく、放っておくと年単位で心臓や血管、神経に重い影響が出ることがあります。血液検査で分かり、ペニシリン系の抗菌薬で治療できます。
性器ヘルペスは、痛みのある水ぶくれやただれができ、疲れたときなどに繰り返します。抗ウイルス薬で症状は抑えられますが、ウイルスを完全に取り除くことはできません。症状がないときでもうつすことがあります。
尖圭コンジローマは、性器や肛門のまわりに痛みもかゆみもないイボができるもので、ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因です。HPV は型によって子宮頸がんや肛門がん、中咽頭がんの原因にもなります。HPV ワクチンは男性も任意で接種できます(原則自費、自治体によっては助成あり)。
HIV は、感染しても長い間症状がないことがあります。今は治療が進んでいて、早く見つけて治療を続ければ、エイズの発症を防ぎ、感染していない人とほぼ変わらない生活を送れます。だからこそ検査が大事です。
うつり方の思い込み
「挿入していないから大丈夫」は間違いです。クラミジア、淋菌、梅毒、ヘルペスはオーラルセックスで口やのどにもうつります。梅毒、ヘルペス、コンジローマは、コンドームで覆われていない皮膚や粘膜の接触でもうつることがあります。
行為の前後にシャワーを浴びるのは衛生的にいい習慣ですが、性感染症の予防効果が確かめられているわけではありません。うがい薬でのうがいも同じです。洗ったから大丈夫、とは考えないでください。
なお、性風俗店で本番行為を求めるのは法令やお店のルールに反するうえ、感染の危険も高い行為です。
コンドームでよくある失敗
米国でよく使われる避妊法の資料(CDC が紹介している数字)では、男性用コンドームで1年間に妊娠する割合は、毎回正しく使えば約2%、一般的な使い方だと約13%です。この差のほとんどは使い方の失敗によるものです。
多い失敗は、途中から着けること。射精の前に出る液にも精子が混じることがあり、性感染症の予防にもならなくなります。ほかにも、先端の精液だまりの空気を抜いていない(射精のとき破れやすい)、サイズが合っていない、裏表を間違えて一度触れたものをひっくり返して使う、2枚重ねにする(こすれて破れやすくなる)、萎えてから抜いて精液が漏れる、といったものがあります。
ベビーオイルやワセリンなど油性のものは、ラテックス製のコンドームを傷めます。潤滑剤は水性か、コンドームに使えると書かれたものを使ってください。期限切れのものや、財布に入れて長く持ち歩いたものも劣化しています。
着けるときは、中身を端に寄せてから手で開け、輪が外側にくる向きを確かめます。先端をつまんで空気を抜き、十分に勃起した状態で根元まで巻き下ろします。途中で引っかかって下りないなら、裏表が逆かサイズ違いなので、新しいものに替えてください。射精したら萎える前に根元を押さえてゆっくり抜き、相手から離れたところで外して、ティッシュに包んで捨てます。サイズの選び方はコンドームのサイズの選び方にまとめています。
破れた・外れたとき
膣の中を水で洗っても避妊の効果はなく、粘膜を傷つけるので勧められません。それより、緊急避妊薬(アフターピル)を早めに検討してください。国内で使われているレボノルゲストレル製剤は性交後72時間以内に飲むもので、早く飲むほど効果が高いとされています。100%防げるわけではありません。産婦人科などの医療機関や一部の薬局で入手でき、販売の仕組みは変わってきているので、最新の情報は厚生労働省のページで確認してください。
ピルや子宮内避妊具(IUD・IUS)、パイプカットなどほかの避妊法は、どれも性感染症は防げません。性感染症も防ぎたいなら、コンドームとの併用が基本になります。
検査の受け方
決まった相手以外との性行為があるなら、症状がなくても定期的に検査を受けてください。
多くの保健所では、HIV や梅毒の検査を無料・匿名で受けられます。クラミジアや淋菌の検査をしているところもありますが、内容や日程は自治体によって違うので、住んでいる地域の保健所のサイトで確認してください。保健所は治療はしないので、陽性なら医療機関へ行きます。症状があるときは、泌尿器科や性感染症内科、皮膚科で保険診療が受けられます。郵送の検査キットも手軽ですが、陽性や判定保留なら必ず受診してください。
行為から検査で正しく結果が出るまでには、一定の期間が必要です。クラミジアや淋菌は比較的早く、梅毒や HIV の血液検査は数週間〜3か月ほどあけるよう勧められています。予約のときに、いつどんな行為があったかを伝えれば、適した時期を教えてもらえます。症状があるなら待たずにすぐ受診してください。
感染が分かったら、治ったと確認してもらうまで性行為は控え、症状が消えても自分の判断で薬や通院をやめないでください。パートナーにも伝えて検査を受けてもらうことが大切です。相手が治療しないままだと、うつし合いを繰り返すことになります。伝え方に迷ったら、医師や保健所にも相談できます。
この記事は一般的な情報です。症状や不安があるときは、医療機関か保健所に相談してください。




